理事長所信

【はじめに】

 『明るい豊かな社会の実現』。この理想を胸に宇部青年会議所では、68年間諸先輩たちがそれぞれの時代、それぞれの社会情勢の中で山積する問題に立ち向かい、宇部の為、人の為に邁進してこられました。

 今、私達を取り巻く環境も深刻です。アフターコロナとなった今も、原油高や物価高騰により、人々の生活は依然として厳しく、明るい未来を描けずにいます。未来を担う者として、少しでもまちに、人に、活力を届けたい。戦後復興の時、青年会議所は「新しい日本の再建は我々青年の仕事である」という覚悟のもとで活動を始めたように、未来への不安に直面した今こそ、私たち青年会議所メンバーが最大限の工夫を凝らして先頭に立ち、地域を牽引していかなければなりません。

 今年度のスローガンを「力戰奮闘」とさせていただきました。これは、勇気を奮いおこして力の限り全力で困難に対してぶつかっていくこと、力いっぱい戦っていくことを意味する言葉です。

 他人が何とかしてくれるのを待っていても、まちや人を輝かせることはできない。私たち一人一人が立ち上がり、本気で挑んでいくことが必要です。一人の力は小さいかもしれませんが、JAYCEEである私たちには、まちづくりを本気で考え、共に行動する仲間がいます。一人ひとりが、声を出し、汗をかき、知恵を振り絞れば、その姿が仲間の心を掴み、市民の心を動かし、地域に元気を届けられると信じています。今こそ我々が変革の牽引者として、力の限り全力で困難に挑戦をしよう。

第69代 理事長  
    波多野 嵩三

【未来を切り拓くための心の醸成】

 青年会議所は『人生最後の学び舎』だと言われ、本気で取り組むことで自己成長へ繋がる組織です。私が感銘を受けた「苦しければ最高、苦しくなければ最低」という言葉があります。

 青年会議所活動を行う中でも、大きな壁に直面することがあります。私も2017年に入会して以降、何度も大きな壁が行く先を阻むことがありました。弱い自分に負けて逃げそうになる度に「苦しさの向こうには成長した最高の自分に出会える」と自身に言い聞かせ、全力で乗り越えてきました。逃げずに乗り越えられる自分を築けば、次にまた同じ状況に直面したとしても、それに耐えられる成長した自分を感じられると確信しています。私と一緒に、その先の喜びを感じよう。

「苦しければ最高、苦しくなければ最低」という言葉が必ず皆さんの心に響く日が来るはずです。困難に立ち向かった時は逃げずに本気で取り組む。その経験と挑戦こそが未来の財産だと信じ、自己成長へと繋げよう。

【次世代に繋がる市民の活力になるまちづくり】

 地域に根差す青年会議所の運動は、社会の幅広い課題を抽出し、自らそれを解決することと位置付けられています。このまちにおいても様々な課題がありますが、その一つとして時代の流れとともに市民が集う機会が減少していることや、地域コミュニティの希薄化があげられます。住みたい田舎ベストランキングの上位に選ばれ、県外からの移住者が増えてはいますが、いまだ人口減少は続いています。県外からの流入者はもちろん、このまちで生まれ育った若い世代の定住促進のためにも、まちの魅力を存分に伝えることが地域活性化へつながる道だと考えています。

 そのためには、未来を担う若い世代を巻き込んだまちづくりが欠かせず、同時に若者が挑戦できる場が必要です。市民を巻き込み、市民と一緒に、市民が主体となったまちづくりが実現できるよう挑戦し続けましょう。

【地域をけん引するリーダーの育成】

 「力戰奮闘」~挑戦こそが未来の財産だ~をスローガンに掲げた背景には、全会員が地域の課題解決に向けて全力で挑戦し続けるリーダーであるべきだからです。地域をけん引するリーダーである自覚と責任を持ち、運動を展開してまいりましょう。

 しかしながら、コロナ禍の影響を受け、今までの常識が覆され、あらゆるものの見方や考え方が見直されました。この時代に求められるのは、過去に捉われず知恵を振り絞り、新たな手法でリーダーシップを発揮できる人材です。今だからこそできることを考え、リーダーとして自らが声を出し、汗を流し、人を巻き込みながら行動していきましょう。

【魅力を伝える会員拡大の実践~70-70運動~】

 近年、宇部青年会議所の会員数減少が著しく、この状況が続くと会の存続も危うくなります。来年にひかえる宇部青年会議所70周年に会員数を70人にすることを目標とし、一人でも多くの同志を迎え、組織力の強化に結び付けましょう。

 そのためには、宇部青年会議所の魅力を十分にPRしなければなりません。同じ志を持った素晴らしい仲間との出会いや、本気で挑戦することによって自分自身が持つ可能性がこれほどまでに広がる団体に所属する機会はとても貴重なものだと感じています。宇部青年会議所の魅力を再認識し、誇りをもってその魅力を伝えることで、新たな仲間を増やし、より強く大きな組織へと導きましょう。

【結びに】

 人の気持ちを汲み、人の気持ちになって行動すること。身近な人さえ想えない人にまちづくりは出来ません。自分の家族の未来や会社の未来を想像してみてください。自分よがりでなく、人の為に奮闘することが、人の喜びやまちづくりに繋がり、回りまわって自分の為になる未来が必ず来ます。

 このまちで生まれ、このまちで育ち、このまちで仕事をしている私たちだからこそ、まちの痛みを感じ喜びを与えることができます。

 そして、若い世代が活躍でき、リーダーシップを持って挑戦できる社会こそ、明るい豊かな社会の第一歩だと思います。私達青年会議所は、0を1にできる団体です。私達自らが、誰かを想う心を原動力に、第1歩を生み出し、声を出し、泥臭く汗をかき、知恵を振り絞り、まちをより良くするための運動をおこして参ります。

 私たちが覚悟と情熱をもって、先陣をきろう。

 『力戰奮闘~挑戦こそが未来の財産だ~』

基本方針

・持続的に繁栄させていくための組織力強化
・未来を切り開くための心の醸成
・次世代に繋がる市民の活力になるまちづくり
・地域をけん引するリーダーの育成
・魅力を伝える会員拡大の実践~70-70運動~