理事長所信

Over Limit
~限界を超えていけ~

【はじめに】

 宇部青年会議所は1956年に宇部を愛する志高い先輩諸兄によって創立され、本年度で71年目を迎えます。時代を超えても課題がある中、地域を導く団体として、これからも歴史を刻み、まちの課題解決に取り組み続けなければなりません。これから先の未来を見据え、今一度会員との強固な信頼関係を築き、組織が一丸となって共通の目標に向かって進むため青年会議所の基本理念である「奉仕」「修練」「友情」を体現し、会員一人ひとりが当事者意識を持って行動することが重要です。2025年の創立70周年において5カ年運動指針が定められました。これは5年計画のスタートを示すものであると同時に宇部青年会議所が未来に向けて目指すべき方向を明確にするものです。そしてその運動指針に基づき75年目ではこの策定した5カ年運動指針を意識して検証をおこない、目指すべき未来を見据えて「明るい豊かな社会」の実現へ向け運動を展開してまいります。

 さて、2026年、日本社会はこれまで経験したことのない大きな転換期を迎えています。新型コロナウイルスの流行がもたらした社会の変容から数年が経過し、経済や暮らしが回復の兆しを見せる一方で、国際情勢は依然として不安定であり、エネルギー価格の高騰、円安の進行、物価上昇など、人々の生活に直接影響を及ぼす課題が山積しています。また、生成AIの爆発的な普及により、ビジネス、教育、行政といったあらゆる分野で急激な変化が求められています。特に我々の世代は、これまでの常識や価値観にとらわれず、時代の流れを読み、柔軟に対応していくことが求められているのです。
 一方で、私たちが暮らす宇部のまちもまた、人口減少や少子高齢化、地域経済の衰退、中心市街地の空洞化など、かつてない規模の課題に直面しています。しかし、私はこれらを単なる“困難”ととらえるのではなく、「新たな価値を創造する機会」として捉えています。限界を決めるのはいつだって自分自身です。そして、その限界を乗り越えた先にこそ、真の成長と希望があると信じています。
 今年度のスローガンを「Over Limit ~限界を超えていけ~」と掲げたのは、まさにこのような想いからです。目の前に立ちはだかる壁に対して、「仕方がない」と諦めるのではなく、どうすれば超えられるかを考え、仲間と共に力を合わせて挑んでいく。その積み重ねが、地域に新たな活力を生み出し、人々の心に希望の灯をともすと信じています。
今、社会が求めているのは、既成概念にとらわれず、柔軟かつ果敢に行動できる若者の力ではないでしょうか。私たち青年世代が「今このとき」に挑まなければ、誰が未来を創るのでしょうか。与えられた責務に誇りを持ち、仲間と共に一歩を踏み出す。その先に、地域の未来、そして自分自身の成長があると信じ、共に限界を超えていきましょう。

第71代 理事長  
    真宅 裕一

【圧倒的な組織力の醸成】

 どれだけ立派な理念を掲げても、どれだけ綿密な計画を立てたとしても、実際に行動に移さなければ、現実は変わりません。青年会議所は、単なる議論の場ではなく、「行動する団体」であると考えます。そして今、私たちに求められているのは、迷わず一歩を踏み出す「圧倒的な行動力」ではないでしょうか。
時代は大きく変化し、私たちの周囲には課題が山積しています。しかし、目の前の課題の多さを理由に足を止めていては、まちは衰退する一方です。現状に満足せず、自ら限界を決めずに挑戦を続ける。その先にこそ、地域に必要とされる真のリーダーの姿があるのではないでしょうか。行動することには勇気が必要です。批判を受けることも、失敗することもあるかもしれません。それでも私たちは、一人ではなく仲間とともにある。失敗を恐れるのではなく、その失敗から学び、次の挑戦に活かす。それこそが、青年会議所らしさであり、地域に変革をもたらす力の源です。計画段階で終わるのではなく、徹底的に行動にこだわる。すべての事業・活動において、スピードと実行力を重視することで行動から学び、行動で示す組織を目指します。限界を超える挑戦の先に、地域の未来は開かれていくのです。

【未来につなげる会員拡大】

 青年会議所運動の継続と進化のためには、会員拡大は避けて通れない最重要課題の一つです。我々の志を次代に繋ぎ、地域に根ざした運動を持続的に展開していくためには、新たな仲間を迎え入れることが不可欠です。単なる人数の増加を目的とするのではなく、「未来を共に創る仲間」と出会い、信頼関係を築いていくことが、真の意味での会員拡大であると考えます。今の青年会議所に必要なのは、自ら挑戦し、変化を恐れず、新しい価値を創造できる人財です。そしてその挑戦は、決して一人ではできません。共に悩み、共に挑み、共に成長していける仲間がいるからこそ、困難な壁も乗り越えることができます。
だからこそ私たちは、新たな出会いに可能性を見出し、「共に挑戦し、共に成長する組織」を
目指すべきだと考えます。また、会員が増えるということは、多様な視点や新たな活力が組織に加わるということです。その多様性は組織に新たな風を吹き込み、既存の価値観を超えた発想を生み出す原動力になります。青年会議所の可能性は、仲間の数だけ広がります。自らの活動に誇りを持ち、その魅力を伝えることに力を注ぎ、未来へとつなげていきましょう。

【愛するまちへの挑戦】

 私たちが暮らす宇部市は、工業都市としての歴史と、豊かな自然が共存する魅力的なまちです。多くの先人たちが地域の発展に尽力し、現代の宇部を築いてくださいました。いま私たちがこのまちに暮らし、活動できているのは努力と情熱があったからこそです。だからこそ、私たちはこの宇部市を心から愛し、誇りを持ち、その未来に責任を持たなければなりません。
 近年、宇部市では都市部への流出、中心市街地の衰退といったたくさんの課題が浮き彫りとなっています。地域に根を張り、未来を見据えた運動を展開するためには、宇部市に対する“シビックプライド”、すなわち「このまちに住んでいることへの誇り」を市民一人ひとりが持つことが欠かせません。
 私たちが、まちの魅力を再発見し、発信し、そして市民とともに誇れる宇部市を創り上げていく存在でありたいと考えます。地域課題を「誰かの問題」ではなく「自分ごと」として捉え、挑戦し、行動していく姿勢が、このまちに新たな風を吹き込みます。
 宇部を愛するからこそ、一生懸命挑戦する。このまちの未来を信じて、共に歩んでまいりましょう。

【未来へとつながる人財育成】

 私たち青年会議所の使命のひとつに、次代を担う「ひと」を育てることがあります。まちの未来を本気で考えるならば、今を生きる子どもたちに目を向け、その成長の機会を私たち大人が責任を持って創り出していくことが何よりも重要です。
 現代社会は非常に複雑で正解のない時代だといわれています。だからこそ、知識や技術だけでなく、自ら考え、仲間と協働し、行動に移す力が必要です。私たちは子どもたちにとって単なる体験ではなく、未来への気づきと自信を得る貴重な場であり続けたいと考えています。
 宇部の地で育った子どもたちが、自分のまちに誇りを持ち、まちの魅力を存分に語り、ここで暮らし続けたいと心から思えるような機会を届けること。それは「人材」を「人財」へと育てる一歩であり、まちの将来に対する最も確かな投資です。
 私たちが子供たちに背中を見せ、共に挑戦し、成長を支えることで、宇部の未来は必ず明るくなる。その信念のもと、未来へとつながる人財育成に、これからも全力で取り組んでまいります。

【結びに】

 私の好きな言葉に「面白き こともなき世を 面白く」という言葉があります。これは、江戸幕末、混迷の時代に立ち向かった長州藩士・高杉晋作が残した句です。続く下の句は「すみなすものは 心なりけり」。世の中を面白くするか否かは、自分の心持ち次第だという強い信念が込められています。
 激動の時代にあって、国の行く末を憂い、命をかけて変革を起こした長州藩士たち。その精神は、今を生きる私たちにも脈々と受け継がれていると感じます。逃げるのではなく、立ち向かう。「今がどうか」ではなく「自分がどうあるか」が未来を決めるのです。
 この宇部の地から、私たちもまた挑戦者であり続けましょう。限界を超え、仲間と共に歩み、愛するまちの未来を切り拓く覚悟を胸に、次代へと誇りある歩みをつないでいきましょう。

基本方針

1. 圧倒的な組織力の強化
2. 地域に求められる組織の確立
3. 地域、市民とともに歩むまちづくり
4. 未来を創る人財育成
5. 魅力を伝える会員拡大 ~75-75運動~